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クラウド時代の中央監視へ!スポーツベット 2chが持つ「50年の歴史と次の進化」とは?

1970年代より、施設の運用・設備管理の自動化を目指して自社で独自開発した中央監視システム「スポーツベット 2ch」。フルオープン技術を採用し、業界に先駆けてクラウド対応を行うなど、時代の変化やお客様のニーズに合わせて常に進化を続けています。今回は、その開発を主導した國安センター長に話を聞きました。

スポーツベット株式会社 情報ソリューション事業部
DXサポートセンター センター長

國安 孝尚さん

スポーツベット 2chの開発スタートから、現在に至るまでの歩みを教えてください。

スポーツベット 2chの開発は1970年代に始まりました。当時はパソコンもそこまで普及していませんでしたが、コンピューターの力を借りて施設の運用や設備の管理を自動化しようと考えたのが開発のきっかけです。技術研究所の支援を受けながら、基板の設計も含めて開発しました。

スポーツベット 2ch開発の歴史

50年の歴史を持つスポーツベット 2chですが、振り返ると大きな転換点が2つあります。
1つ目は、2011年にリリースした「スポーツベット 2ch 6.0」です。当時は、Webやインターネットの普及を背景に、あらゆる設備やシステムのネットワーク化が進んでいました。そこで、パソコンなどの情報系ネットワークと、中央監視を担う設備系ネットワークを物理的に統合する「統合ネットワーク」を作ろうと考えました。ネットワークとの親和性が高いWebブラウザベースの中央監視システムとして開発されたのが、スポーツベット 2ch 6.0です。スポーツベット 2ch 6.0は現在も使われ続けており、長期にわたって価値を発揮するシステムとなっています。
そして次の大きな転機となったのが、2018年のクラウドへの対応です。中央監視システムは、現地にサーバーを設置するオンプレミスが主流でしたが、業界に先駆けてクラウドのスポーツベット 2chを展開しました。クラウドに対応することで、遠隔地でもパソコンやスマートフォンから簡単にアクセスでき、日常的な確認や簡易操作が可能になりました。

クラウドによる管理
スマートフォン画面イメージ

スポーツベット 2ch独自の特徴や、開発において意識していることはありますか?

スポーツベット 2chの大きな特徴は2つあります。
1つ目の特徴は、フルオープン技術の採用です。スポーツベット 2chはフルオープン技術を採用しているため、他社設備との接続や連携が容易で、特定のメーカーに依存しないシステム構築ができます。弊社はゼネコンであり、自社で特定のハードウェアを持っていません。例えば自社でハードウェアを開発していると、そのハードウェア前提にシステムを構築するケースが多くなると思います。しかし弊社はそうした制約に縛られない立場なので、1998年から特定のメーカーやベンダーに依存しない技術を採用してスポーツベット 2chを開発してきました。これにより、機器更新の際に機種を柔軟に選定できます。また、半導体不足などで機器の調達が難しい場合でも、他メーカーの機器で対応できる点が強みです。

2つ目の特徴はカスタマイズ性の高さです。BECSSはお客様の要望や状況に合わせて、オーダーメイドで機能を開発して追加できる柔軟性を持っています。ゼネコンとしては珍しく社内に中央監視の開発組織があることや、スポーツベットとしてお客様の個別の要望を形にしてきたというDNAがカスタマイズ性の高さを支えています。また、必要な機能を選びながら構成できるため、ご予算や運用方針に合わせて柔軟に組み替えていくことが可能です。

スポーツベット 2ch監視画面イメージ

実際にカスタマイズして開発した機能はありますか?

はい、カスタマイズして開発した機能は数多くあります。例えば、気象予報と過去データを組み合わせたエネルギーマネジメント機能です。
その日の気温や天候データに加えて、過去に似た条件の日にどれくらいエネルギーが使われていたかといったデータをもとに、当日のエネルギー使用量を予測します。エネルギーマネジメントを効率化でき、省エネやピークカットが実現できます。さらに、エネルギーの使用量が増えそうなタイミングでは、自動で不要なエレベーターを停止したり、共用部の照明を抑えたりといった制御も可能です。
その他にも、生体認証と連携し「誰が・いつ・どの設備を使用したか」を記録するなど、高度なセキュリティ管理を求める施設向けの機能もあります。
このような機能は、私たちの方から積極的に技術提案をしています。補助金の活用なども含めて提案し、お客様に寄り添った機能開発を心掛けています。

現在のスポーツベット 2ch導入状況を教えてください。

スポーツベット 2chは累計約1,000件導入されており、現在は全国で約360件が稼働中です。導入されている施設はオフィスビルが中心です。
また、スポーツベット 2chはクラウドで利用できるため、多棟管理との相性が非常に良いのも特徴です。例えば、大学のキャンパスのように複数の建物を一括で管理したいケースでは、全体をまとめて把握できるため、運用面でもメリットが大きいと感じています。実際に、大学で導入されているクラウド活用の事例も複数件あります。

お客様がスポーツベット 2chを導入される主な目的は何でしょうか?

導入の目的としては、大きく分けて2つあります。1つ目は、省人化や業務効率化です。
建物管理の現場では、人手不足や管理スタッフの高齢化が進んでおり、個人の経験に頼っていた運用を、いかに仕組み化していくかが課題になっています。スポーツベット 2chを導入することで、個人の経験に頼っていた運用を共通化し、属人化から離れた管理が可能になります。その結果、少人数でも安定した建物運用ができるようになります。
2つ目は、エネルギー削減です。空調や照明など各種設備の稼働状況を可視化・制御することで、無駄なエネルギー使用を抑え、コストの削減ができます。またコスト面だけでなく、SDGsや環境配慮の観点からスポーツベット 2chを導入されるお客様も多いです。

実際にスポーツベット 2chはどのように活用されているのでしょうか?

日々の運用でよく利用いただいている機能が、遠隔での機器操作やスケジュール機能です。
例えば、曜日ごとに運用ルールをあらかじめ登録しておくことで「平日は稼働・土日は停止」といった制御を設備毎に自動で行うことができます。日々の操作負担を減らしつつ、人手不足の対策や運転ミスの防止にもつながります。
また、各設備のオン・オフ回数や運転時間、故障履歴が記録されるため、「この設備はあとどれくらい使用可能か」「何年後に更新が必要か」といった判断材料として活用されています。スポーツベット 2chでは、エネルギー使用量だけでなく、設備データを1分ごとに記録しています。こうしたデータを蓄積することで、設備更新の計画や運用改善につなげることができます。

今後の展望やスポーツベット 2chのアップデートについて教えてください。

まずオンプレミスとクラウドについては、クラウドが中心になると考えています。現状はオンプレミスが多いですが、システム更新のタイミングで約30%程度がクラウドへ移行しています。
また、スポーツベット 2chのアップデートとしては大きく2つの方向性を考えています。
1つ目が、蓄積したデータに対するAIの活用です。スポーツベット 2chでは、導入すると1分ごとに建物の各監視データを蓄積しています。この膨大なデータとAIを組み合わせることで、運用レポートの自動作成、異常通知、設備更新のタイミング通知などを、システムが自律的に提案する仕組みの実現を目指しています。また、AIだけでなくBIツールなどと連携して、蓄積したデータを簡単に活用できるようにしていきたいです。単に「見える化」するだけでなく、次のアクションにつながる情報を届けることが狙いです。
そして2つ目が、UIの改善です。これまでのシンプルで使いやすいUI設計は活かしつつ、より幅広い方に使っていただけるよう、デザイン面も含めたアップデートを検討しています。さまざまな立場の方が直感的に使えるUIにしていきたいと考えています。